1. 準備 - オブジェクトの整理
テクスチャ、UVを編集する前にオブジェクトを整理しておきましょう。
最初に作成した前脚、後脚、それをつなぐ側台輪の3つを結合したオブジェクト pCube4 を A に名称変更してください。
(本来オブジェクト名はその内容を示すものが良いのですが、今回オブジェクトを3つにするので簡単に進めます)
次にクッションオブジェクト( pCube1)を C に名称変更してください。
C(クッション)オブジェクトはテクスチャは貼らないので、Hキーを押して隠してください。
最後、のこりの5つのオブジェクトを結合してひとつにします。
図の5つを選択してください。
シェルフの 結合 ボタンをクリックしてひとつのオブジェクトにします。
結合したオブジェクトも名前を変えます。 Bにしてください。
ヒストリノードが残っているので、Bを選択し、 メインメニュー > 種類ごとに削除 > ヒストリ を選びます。
スッキリしました。 オブジェクトは、 A, B, C の3つだけです。
2. マテリアルを割り当てる
A とBそれぞれに木目の画像を貼ります。
マテリアルを割り当てて、そのマテリアルに画像を設定します。
木目の画像はAB2つ別の角度からマップ(投影)しますが、ひとつのマテリアルを オブジェクトAとBで使います。
オブジェクトを選択するときは、オブジェクトモードになっているか確認してください。下図のように2つ以上まとめて選択したときは最後のオブジェクト以外は白いラインでハイライトされ、最後に選択したオブジェクトだけが緑色にハイライトします。
アウトラインが明るいプル−の場合はコンポーネントモードになっているので、右マウスプレスして「オブジェクトモード」に切り換えてください。
AとB 両方のオブジェクトを選択し、右マウスプレスから、「新しいマテリアルの割り当て」を選んでください。
下図のパネルで、左の欄から Arnold – Shader を選択し、右の欄で aiStandardSurface を選択します。
次に、A Bどちらかを選択し、右マウスプレスから 「マテリアルアトリビュート…」を選びます。
割り当てたマテリアルアトリビュートが表示されます。
マテリアル名が長いので憶えやすいように下図のように「 AB_std 」に書き換えてください。
3. テクスチャ画像を設定する。
マテリアルアトリビュートの Base 項目の Color アトリビュート右端のチェッカーボタンをクリックしてください。
「レンダーノードの作成」で右の欄から「ファイル」を選択してください。
「file1」というアトリビュートエディタが表示されるので、「イメージの名前」の右端のフォルダボタンをクリックしてください。
前もってプロジェクトのsourceimages フォルダにコピーしておいた木目の画像を開きます。
ビューポートすぐ上のシェーディングとテクスチャボタンを有効にするとテクスチャが表示されます。
しかしまだ十分ではありません。
これからUVを編集し、A と B それぞれ画像を投影する方向とサイズ・位置を調整します。
4. UVの作成
UVは、テクスチャ画像の貼り方を決めるものです。投影の向き、大きさ、縦横比、などオブジェクトとテクスチャ画像を関連付けます。
UVセット(UVのこと)はオブジェクトがつくられたときに自動的に作成されますが、テクスチャ画像を貼る場合ほとんどは新しく作成します。
作成方法はいくつかありますが、今回は作成時のオプションとマニピュレータで投影方向を決める方法をとります。
オブジェクト Aを選択してください。
画面右上のワークスペース:を 「UV編集」に切り換えてください。
右側にUVエディタが表示されます。 ビューポートが狭すぎる場合は図のように境界をドラッグして見やすい比率に調整してください。
ビューポートは perspビューだけでもOKです。
またアウトライナを非表示にすると良いでしょう。
選択しているオブジェクトAの投影図(UVマップ) が表示されていますが、このUVマップは使いません。新しく作成します。
UVエディタのメニューで、作成 > 平面 (四角をクリックしてオプションを表示してください。)
平面マッピングオプションで図のように「投影元:」を「X軸」にしてください。(デフォルトです)
「投影」ボタンをクリックして閉じます。
ここまで、オブジェクトAに「map1」というUVセットを設定できました。
5. UVエディタと投影マニピュレータの表示に関して
ビューポートには投影のマニピュレータが表示されます。また、 選択しているオブジェクトAをX軸方向から投影したUVマップがUVエディタに表示されます。
見慣れない画面で分かりにくいと思います。場合によっては下の図のようになっていないこともあります。
マニピュレータハンドル以外の画面上をクリックするとマニピュレータが消えてしまいます。
投影マニピュレータが消えてしまったときは、まずは画面右上のボタンをクリックしてチャネルボックスを表示します。
オブジェクトを選択しないとダメです。 チャネルボックスで 「入力」の [ polyPlanarProj1 ]をクリックすると投影マニピュレータが再表示されます。
それでも表示されないときは、Tキーを押すと表示されます。
6. UVの投影マニピュレータによる操作
投影マニピュレータはUVを新規作成したときに使うことが多く、まったく使わないこともあります。
ここでは、木目のテクスチャに適した貼り方として、マップを斜め方向から投影するために使用します。
投影マニピュレータの周囲の四角をドラッグするとスケーリングします。
中心の四角は移動です。(perspビューではドラッグしないでください)
分かりにくいですが、左下の角にある赤い線をクリックすると「回転」モードに切り替わります。
perspビューでマニピュレータの左下にある赤い線をクリックし、回転ハンドルを出してください。
さらに図の円をクリックしてください。
回転ハンドルが表示されるので、緑色のYハンドルを左方向へ少しだけドラッグし、回転します。
図のように45°くらい回転してください。 これで斜め方向からテクスチャがマップされます。
次に縦横のスケールを調整します。 再度左下の赤い線をクリックしてください。スケールハンドル表示に戻ります。
右側UVエディタの画面操作は、ビューポート画面と同じで、optionキーを押しながら移動(中ボタン)とスケール(右ボタン)が可能です。
マニピュレータの上下・左右のスケールハンドルをドラッグし、UVマップとテクスチャがどのように変化するか確認してください。
次は、UVエディタのハンドルをドラッグし、ビューポートのテクスチャがどのように変化するか確認してください。
取りあえずUVエディタで上図のようになればOKです。
次はマニピュレータを使わずに、UVエディタだけで編集します。
7. UVエディタの操作
Qキーを押し、普段の選択ツールに切り換えてください。 マニピュレータが表示されなくなります。
オブジェクトが選択されていないとUVマップも表示されません。それでも表示されないときは、もう一度オブジェクトをクリックしてください。
下図のような画面配置で操作します。
UVエディタのUVマップ上で右マウスプレスし、「UVシェル」を選択してください。
選択モードが「UVシェル」になります。 UVシェルは、UVマップの最小単位で、UV頂点がひとつながりになったものです。
図のUVシェルを選択してください。
Wキーを押して移動ツールに切り換えます。 ビューポートでの操作と同じように、下図のあたりに移動してください。 (ビューポートのテクスチャがどのように変化するか確認します。)
UVシェルを移動すると、それと連動してピューポートのオブジェクトの木目パターンも変化することを確認してください。
次は、Eキーを押して回転ツールに切り換えます。 下図のように90°回転してください。
最後は、Rキーを押してスケール ツールに切り換えます。 図のようにUVシェルの幅を変えてください。
このように、UVエディタでUVマップを編集することによりテクスチャの配置を編集することが可能です。(木目のテクスチャなのであまり拘る必要はありませんが・・)
同じように下図のように反対側のUVシェルも編集してください。
UVシェルの選択は、左側ピューポートでも可能ですが、それぞれ一度画面内をクリックしないと選択できません。
UV編集の基本は、全体のスケールと縦横比を同じにすることです。 判断しやすくするために下図のチェッカーパターンを標示することもあります。 チェッカーパターンが明るすぎてUVマップのラインが見にくい場合、下図の画面を暗く標示するボタンを押してください。
チェッカーパターンの縦横の大きさ、歪みを参考にしてUVを均等に配置します。
その他のUVシェルも編集し、下図のようになればOKです。
8. オブジェクトBのUVを作成
同じ要領でオブジェクトBのUVを作成します。
必ずオブジェクトAを選択解除してから次の作業に移ってください。これは重要です。
オブジェクトBを必ずオブジェクト選択モードで選択してください。
オブジェクトBを選択したら UVエディタパネルの 作成 > 平面(オプション標示の四角を選択)を選びます。
投影方向を前方の斜め上からにします。 前からの投影なので「投影元」をZ軸にしてください。
下図のようにマニピュレータを少しだけ X回転させてください。
あとはマニピュレータを使いません。UVエディタウィンドウで「UVシェル」モードにして位置やスケールなどを編集してください。
基本的にオブジェクトAと同じようにビューポートのテクスチャを見ながら操作します。
木目の大きさや方向などを調整してください。
最終的にUVシェルを図のような配置にしてください。ただし必ずしもこの通りである必用はありません。ビューポートでの木目の方向や大きさを見て調整してください。
ファイルを一度保存してください。
9. UVセットとオブジェクトの関係
ひとつのオブジェクトにUVマップを投影してUVセットを作成すると、自動的に「map1」というUVセット名が付きます。
オブジェクトひとつに対し、必ずひとつの投影UVセットが設定されると考えてください。
オブジェクトAにUVセットを設定するとその名前は「map1」になり、オブジェクトBに別のUVセットを設定しても同じ「map1」になります。
それぞれのUVセット「map1」は、名前は同じでもまったく別のUVセットです。
UVセットの名前は書き換えることができますが、これはやらないでください。
UVセット名を区別するために名前を書き換えるとこともありますが、後でかなり面倒な作業が必要になってしまいます。
以上がUV編集の基本的説明です。 次はマテリアル設定とレンダリングによる確認をして終了です。
10. マテリアル設定
次はオブジェクトC(クッション)のマテリアルを設定します。
テクスチャ画像は投影しないので、UVの設定もしません。
Mayaクラシックのワークスペースに戻してください。
レンダリングを確認しながら設定するので、ライトが必要です。 Arnold > Light > Skydome Light を選択してください。
このライトは特に調整する必要はありません。
Arnold > Render でレンダリングウィンドウを標示してください。
新規マテリアルの割り当てをして、aiStandardSurfaceのアトリビュートで設定します。
マテリアルアトリビュートで名称を「 C_std 」に変更しておきます。
色は好きなもので構いませんが、素材感は皮革やビニルを想定してください。
設定の参考値です。
レンダリング結果です。
11. テクスチャ画像の調整
最後にテクスチャ画像の簡単な調整をします。
元画像をPhotoshop で編集しても良いですが、アトリビュートエディタで簡単に済ませます。
Arnold レンダーウィンドウでレンダリングを見ながら調整してください。
木目のテクスチャを編集するので、AまたはBオブジェクトを右マウスプレスし、マテリアルアトリビュートを開きます。
アトリビュートエディタで図のボタンをクリックし、画像をリンクしたfileアトリビュートを開きます。
fileアトリビュートで、カラーバランス項目を展開します。
カラーゲインをクリックしてカラーチューザーで調整します。 レンダリング画面を確認しながら行ってください。
図の左が調整前、右が調整後です。 明るすぎた木の色を少し暗く落ち着いた色調にしました。
以上でマテリアルとUVについての説明は終わりです。