ローポリキャラクターの手と指
できるだけ簡単なトポロジーだけで手と指をつくります。
トポロジーは色々と考えられますが、ここでは次の図のAとBのパターンで説明します。

親指のジオメトリ
次の図のように、最終的に親指は斜め下へ向くようにします。
また、親指は他の4本の指に対して90度横を向き、爪が体の前方向に付くようになります。 こぶしを握ることをイメージして作ってください。


モデリングプロセスの概要
ABいずれの場合もトポロジー編集とジオメトリ編集の繰り返しになりますが、下の図のような制作の流れになります。
ABどちらも、親指と小指を押し出すフェースの位置に注意してください。
親指は人差し指との間にフェースが一つ入りますが、小指は薬指のすぐ隣のフェースを押し出します。

パターン A の詳細
下図のように手首から先が3分割されるようにして手のひらの元をつくります。
⑤ー⑥で先端のフェースが、手のひら幅の3分の1になるようにスケーリングして押し出すフェースのジオメトリを調整しておきます。 このフェースが中指を押し出す元のフェースになります。 左右の各3分の1のフェースは人差し指と薬指の元のフェースになります。
注意点として、「シンメトリーX」にしておくことと、手の甲側とひら側の頂点・エッジなどは同時に選択、移動するようにしてください。

手先だけ表示して作業する
「選択項目の分離」
下図のようにして「選択項目の分離」を有効にし、必要なフェースだけを表示して作業します。
こうしておくと、Fキーを押して「選択項目をフレームに収める」ことで画面をタンブルしやすくなります。
また誤って関係のない身体の頂点を選択することも防げます。

「シンメトリーX」モードにしておきます。
フェースを選択 > 「選択項目の分離」ボタンをクリック > 選択したフェースだけが表示されます。

解除するには「選択項目の分離」ボタンをもう一度クリック、またはもう一度 Ctrl + 1 を押します。

パターンB のプロセス

パターンB については下記の動画を参照してください。
01- 手のひら部分を作成する

02- 手のひらのジオメトリ調整
高さ方向のジオメトリの微調整をします。

03- 指の押し出し
押し出しでは「フェースの一体性の維持」を「オフ」にします。

動画では押し出した後に指先の位置を調整しています。
04- 指の高さ・長さ調整
親指を斜め下向きに、各指先を少し細くしています。

05- 「接続」ツールで指関節を追加する
複数のエッジループを一度に追加するには「接続」ツールが便利です。
オブジェクトを選択し、モデリングツールキットの「接続」ボタンをクリック。 すぐ下のオプションの「セグメント」で分割数を指定します。
親指以外の4本は「セグメント」を「3」に、親指は「2」にします。
エッジを一つ選択し、shiftキーを押しながら2つ目のエッジをクリックすると二つのエッジの間が指定した本数のエッジでつながります。 ただし、この指の操作ではエッジループにしたいので2つ目のエッジはダブルクリックしてください。
追加されたエッジがハイライトされたら Enter (return)キー を押して確定してください。

親指は「2」、他の4本の指は「3」にします。 指の関節は2か所ですがもう一つのエッジループはあとで指の付け根に移動してサポートエッジにします。

06- 「スライド」移動・回転でエッジを調整する
指関節のエッジループを「スライド」移動・回転して向きを調整します。
スライドのショートカットは shift + Ctrl キーです。 キーを押しながらエッジループを移動・回転してください。

07- 全体のジオメトリ調整
最後にスムーズ表示を確認しながら全体のプロポーションを整えます。
親指と人差し指の間のジオメトリに時間がかかるかもしれません。

完成したジオメトリ(スムーズ表示)

その他のトポロジー
図のようなローポリのトポロジーも考えられますが、この場合は腕の上面下面から体の側面にかけてのエッジループを追加することになります。

よりリアルな手と指のトポロジー
リアル系キャラクターでは、図のようなトポロジーになります。


