キャラクタ オブジェクトのUV編集手順は次のようになります。

 
  1. UV作成(Z軸-平面投影)
  2. シェルに分割(カット)
  3. シェルの展開
  4. UVの調整作業
  5. レイアウト
  6. UVマップを書き出す
  7. テクスチャ画像の作成(画像アセット)

このページでは、図のキャラクタ オブジェクト[ Hatsue ] を例にUVマップとテクスチャ作成について説明します。

Hatsue

0. ベースモデルについて

最初の動画では、元になるキャラクタのオブジェクト構成、最終的なUVテクスチャについて紹介しています。

1. UVの作成(Z軸-平面投影)

UV編集の最初の工程は、UV ツール キット「作成」の中の「投影」方法を選択してUVマップを作成することから始めます。

投影方法にはいくつかの種類がありますが、キャラクタオブジェクトのUV作成は、「平面 」投影 Z 軸 を選択してください。

2.シェルに分割 (カット)

UVは3次元立体を2次元平面として展開するため、必然的にどこかでパーツに切り分けなければなりません。

UVマップを分割したそれぞれのパーツを「シェル」と呼びます。最終的に分割したシェルをUVの正方形領域にレイアウトしていきます。

シェルの重なりを避け、尚且つ歪みが最小限になるよう配慮します。この例では、最終的に下図のように分割していきます。

UVシェルの分割線 :UV境界 は白い太線で表示されます。(UV編集時)
Hatsue UV境界
完成時のUVマップとテクスチャ
Hatsue UV

UVを分割する作業は主に、UV編集画面の左側3D画面で行います。 分割するエッジを選択し、UVツールキットの「カットと縫合」から「カット」を選択すると選択したエッジでシェルに分割できます。

3. シェルの展開

パーツに分けたUVシェルを重なりのない平面として展開します。 展開する前に適切な位置に切り込みを入れるカット作業が必要です。

例えば、セーターは胴体部分と袖に分割して胴体部分は前後に分けます。さらに袖の部分は筒状なので目立たない場所に切り込みを入れ平面状に展開できるようにします。 このように着衣は現実の縫製箇所を想定してカットすると良いでしょう。

頭部はできるだけ目立たない頭頂部から後頭部にかけてにカットを入れます。

4-1. UVシェルのテクセル密度

シェル毎にバラバラなスケールを実際の比率に近づけておきます。UV頂点間隔が広ければそのテクスチャ解像度は高くなります。シェル毎の平均密度を「テクセル密度」と呼び、この値を揃える事で解像度が統一できます。

UVツールキット内トランスフォーム項目の「テクセル密度」で「取得・セット」することで効率化できます。

4-2. UV頂点の調整(頭部)

肝心な顔のUVを調整します。

展開したUVシェルは、顔の中心部のテクセル密度に比べ周辺部のテクセル密度が高くなっています。(反対にUV頂点の間隔は広くなります) この動画では頭部全体の歪みをグラブツールで移動し、密度を平均化する作業を行っています。

向かって右半分の調整を行い、「シンメトリ化」ツールで左側に反映させます。

4-3. UVの直線化

着衣のテクスチャに使用するセーターに編み目があります。その他ストライプなど柄がある場合、UVの並びが直線的でないと画像加工に手間取ります。

5. UVシェルのレイアウト

0 〜 1 のマップ範囲にUVシェルを無駄なくレイアウトする作業です。

「配置してレイアウト」項目の「レイアウト」をクリックすれば自動的にレイアウトしてくれます。ただし無駄なスペースが空いたり感覚的に納得がいかない場合が多いです。

6. UVマップを書き出す

UVスナップショットを使い、作成したUVマップを書き出します。 UVマップはテクスチャ画像作成のためのガイドとして使用します。

UVのスナップショット

UVスナップショットの保存形式はPNGが無難です。 解像度は2048 × 2048 px に設定し、そのままテクスチャ解像度として使っています。

スナップショット画像の利用方法

書き出したUVスナップショット画像をPhotoshopで開き、UVマップのレイヤを準備します。動画ではUVマップのラインが見やすいように調整しています。

9. テクスチャ画像の作成(画像アセット)

動画では、Photoshopによる「画像アセット」の作成方法を説明しています。 画像編集の詳細部分は省略しています。

肌の部分以外は写真画像を加工しています。元になった画像素材は下記のサイトでダウンロードしています。(アカウント作成が必要ですが、低解像度(1600px 程度)版であれば無料なので便利です。)

Textures.com    https://www.textures.com/

Photoshopで作業する場合、動画で説明しているように「画像アセット」を設定しておくと便利です。レイヤーグループがそのままPNGなどのファイルとして自動的に書き出されます。また、変更の度に自動更新されるのであらためて書き出す必要がありません。

Photoshop画像アセットを使用し、PNGテクスチャ画像の変更を即座にMayaに反映しています。