AOV (Arbitrary Output Variable) とは、レンダリング時にスペキュラや間接反射光、Z深度、その他各要素を別々にレンダリング出力する機能です。

AOVで出力しておくことで、コンポジット(After Effectsなどで合成処理すること)時にそれぞれの画像を任意に組み合わせ、最終的な見た目を調整することが可能になります。

RGB-A (Beauty) 画像
スペキュラ 画像
インダイレクト (間接反射光) 画像
Z 深度 画像

AOVを出力する

このページでは、MayaのArnoldでAOVを設定し、Z深度などの要素を追加出力する方法について説明します。

1. AOV出力設定

AOVを設定するには レンダー設定 AOVs タブAOV Browser で必要な項目を追加します。

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2. 画像形式はEXRに設定する

Z深度の出力は一般的な8bitの階調ではなく、16bit以上で行います。 8bit (256階調)ではAfterEffectsで調整するための階調が足りなくなります。

16bit以上で出力する最も簡単な方法は、レンダー設定ファイル出力項目、イメージフォーマットEXR形式を選ぶことです。

この設定でレンダリング出力すると、AOVの各要素は自動的に作られたフォルダーに分けられて保存されます。

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3. AOVはマージでひとつのファイルにする

上記のようにレンダリングしても問題はないのですが、ファイルの数が増えてAfterEffectsで読み込むとき、読み込んだ後の扱いが煩雑になります。

そこで、AOVの各要素をレイヤーとしてまとめ、ひとつのEXRファイルで全て扱えるようにしておきます。

設定は簡単です。 レンダー設定ファイル出力Merge AOVs にチェックを入れるだけです。

Merge AOVsを有効にしてレンダリングすると、全てEXRファイルのレイヤーとして保存されるのでファイルはフレームにつき1個ずつで済みます。

こうしてレンダリングしたEXRシーケンスファイルをAfterEffectsでコンポジションとして読み込みます。

読み込んだコンポジションをタイムラインで開いた状態が下記の画像です。 

AOVの各要素をレイヤーとして編集できるようになります。

未処理の元画像
Z深度レイヤーで遠景をボカした画像

尚、AfterEffectsでの読み込みとZ深度によるボカしの詳しい設定方法については、「AfterEffectsでEXRファイルのAOVを読み込む」で説明します。

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