透明な物のモデリング
このページでは、透明な物としてグラスに入ったドリンクのモデリング方法について説明していきます。
作例として図のようなグラスとドリンクを作ります。
尚、氷はページを改めて説明します。

グラスのモデリング
ポリゴン円柱を元に、図のようなグラスをモデリングしていきます。

ポリゴン円柱の作成と編集
ポリゴン円柱を作成し、チャネルボックスで「入力」ノードの [ polyCylinder1 ] を次のように編集します。
- 半径:4
- 高さ:14
- 軸の分割数:24
- 高さの分割数:1
- キャップの分割数:4

下の左図のように作成されるので、右図のように上面フェースを選択して削除します。

基本デザイン
グラスの形を造形します。
ここでは、下の画像のように高さの中間にエッジループを2本追加してから、それぞれ移動と拡大しています。
この通りでなく、エッジループの本数や高さ・大きさを変えて好みのグラスにしても良いでしょう。

下の図は、スムーズ表示にしたものです。
尚、あとで全体に押し出して厚みが付くことを考慮してください。外側へ向かって押し出すので、少しだけボリュームが増します。

底の修正
今回は透明なグラスなので底の形も見えてきます。
底の中心部(図の赤い四角)を少しだけ上へ移動し、凹ませておきます。
また、底面と側面の境目が丸くなり過ぎないように、図で選択しているエッジループを少しだけ拡大しています。

スムーズ表示すると下図のようになります。

厚みを作る
オブジェクト全体を選択し、「押し出し」ツールで厚みを作ります。
「押し出し」の設定パネルで、今回は少し厚めにしてください。ここではやや厚めの「0.3」(3mm)にしました。
- 厚み:0.3
- ローカル移動Z:0
- オフセット:0
- 分割数:1
- フェースの一体性の維持:オン


底をさらに厚くする
グラスの底をさらに厚くします。
下図のように、内側の底のフェースだけを選択し上へ移動してください。

スムーズ表示にすると下図のようになります。

「ふち」にエッジループを追加
スムーズ表示にしたとき「ふち」が丸くなり厚みがなくなるので、内側と外側それぞれにサポートエッジを追加します。
下図のように「ふち」から僅かに下にエッジループを追加します。
オブジェクトを選択し、「マルチカット」でcontrol (Ctrl )キーを押しながら追加してください。

グラスのモデリングはとりあえずここまでにして、次はグラスの中身(ドリンク)を作っていきます。
ピボットの移動やグランド平面への接地は、ドリンク オブジェクトができてから実行します。

中身(ドリンク)オブジェクトを作る
グラスに入ったドリンクをモデリングします。
方法としては、グラスの内側のフェースを「複製」し、複製したオブジェクトの上端のエッジループを中心に向けて押し出してふたをすることにします。
ただし、透明なオブジェクトの場合は、フェースを「複製」するときにひと手間必要になります。
フェースを「複製」するときの注意点
図のように、透明な液体を透明なグラスの内側とぴったり同じに作ってしまうと、レンダリングしたときに図のような問題が起きます。
まったく同じ空間上の面に2つのフェースが重なっているため、レンダリングの計算結果に不具合が生じます。

これを解消するためには、下図のようにフェースを「複製」するときに外側へ向けて少しだけ膨らませ、グラスオブジェクトとオーバーラップ(重ねる)させる必要があります。

フェースを別オブジェクトとして「複製」
グラスの内側フェースを選択し、「フェースを別オブジェクトとして複製」していきます。
下記のように進めてください。
グラスの内側のドリンクを入れる高さ(図参照)にエッジループを追加します。
この高さまで飲み物が満たされることになります。

内側の中心に近いフェースループを選択し、選択を拡張していきます。
最初に次のGIFアニメのように中心に近いフェースループを選択してください。

選択したフェースループを「shift」 + 「>」を押して拡張していきます。
縮小するときは「shift」 + 「<」を押します。
STEP1で追加したエッジループまでのフェースを選択してください。

選択した内側のフェースを複製します。
「メッシュの編集」> 「複製」を選択してください。 もしくは、上部シェルフにある図のボタンをクリックしてください。
注意点として、すぐにツールを確定せず、このあとの説明のように「ローカル移動Z」の値を設定していきます。

「複製」ツールをすぐに閉じて確定しないでください。
「複製」で表示される小さなパネルの「ローカル移動Z」項目を次のようにして調整する必要があります。
「ドリンクを作る」項目の最初で説明したように、ドリンクはグラスの厚みにオーバーラップさせる必要があります。
「複製」ツールで表示されたパネルで、「ローカル移動 Z」を調整してフェースを少しだけグラスと被るようにしてください。
もしドラッグして微調整しにくいときは、直接「-0.15」を数値入力してください。(グラスの厚み「0.3」の約半分にします。)
また、フェースは内側を向いているので、値は[ – ](マイナス)になります。

複製したフェースの編集
フェースを別のオブジェクトとして複製できたので、次のように編集して完成させます。
フェースから別オブジェクトを複製すると必ずグループ化されます。
グループを選択し、必要のなくなったヒストリを削除してください。
❶グループを選択 ➡ ❷「ヒストリの削除」ボタンをクリック

アウトライナでグループとオブジェクトに名前を付けてください。
グラスとドリンクをそれぞれ選択し、ビューで確認してから名前を付けます。
グループの名前を[ Glass_GRP ] にしました。 [ GRP ]は [Group ] を略した使い方です。
また、グループを[ Space ] と表現することもあります。 実体がなく、位置・回転・スケール情報だけの漠然とした概念という意味合いです。

ミスを防ぐために、ドリンクオブジェクト以外を隠しておきます。
ドリンクオブジェクトを選択し、Macでは[ command + 1 ]、 Windowsでは[ Ctrl + 1 ] を押してください。 ドリンクオブジェクトだけがビューで表示されます。
この場合、他のオブジェクトはグラスしかありませんが、複雑なシーンになると他の複数のオブジェクトを一度に隠したいことが多くあります。
選択したオブジェクトだけを表示するショートカットを覚えておくとモデリングの効率化になります。
ショートカットキーを使わない場合は、下図のようにビューメニューで選択します。

注意点:
何も選択していないとすべてが非表示になります。
4画面表示でショートカットキーを押した場合、マウスカーソルがある画面だけで実行されます。
元に戻すには、もう一度ショートカットキーを押すか、同じメニューまたはボタンをクリックしてください。
ドリンクオブジェクトの裏表を反転します。
オブジェクトを選択し、メインメニューで、「メッシュ表示」 > 「反転」 をクリックしてください。
ポリゴンオブジェクトには裏表があり、ビューで黒く表示される側は「裏面」です。
それぞれのフェースが向いている方向を「サーフェス ノーマル」(法線)と呼びます。正確なレンダリング結果を得るには、サーフェス ノーマル(法線)を正しい向きにしておく必要があります。
ドリンクの上面、すなわち「水面」になるフェースをエッジを押し出して作ります。
❶ 上端のエッジループを選択し、❷ 「押し出し」ツールを選択、❸ 次の動画のように「分割数:2」で「ローカル移動Z」してください。❹ Qキーを押して「選択」ツールに切り替え(エッジ選択は解除しない)、❺ 「センターへマージ」ツールボタンをクリックして中心を閉じてください。
押し出しで作成した上面を水平に揃えます。
❶ 頂点選択モードで中心の1点を選択、❷ shift + > を一回押して選択を拡張します。❸ スケールツールに切り替えてYハンドルを下へドラッグして頂点を水平に揃えます。
❹ 頂点は選択したままで、移動ツールに切り替え、❺ Vキーを押しながら ❻ Yハンドルをドラッグし、外側のいずれかの頂点にマウスカーソルを移動してスナップさせます。
最後に、上面の外周にサポートエッジを追加します。
外周のエッジループの少し内側と外側に合計2本のエッジループを追加してください。

スムーズ表示に切り替えて確認してください。

ピボットの移動と接地
非表示にしていたグラスオブジェクトも表示します。 command + 1キー (Mac)または、Ctrl + 1キー (Windows) を押してください。
4画面表示の場合はビューごとに表示が異なりますので、カーソルを移動してそれぞれ切り替える必要があります。
グループのピボットを移動する
今回は、オブジェクトそのものではなく、グループのピボットと位置を編集して接地させます。

アウトライナでグループを選択し、「移動」ツールに切り替えてピボットを移動します。 ❶ DキーとVキーを押して、❷ Yハンドルを下へドラッグ… ❸ …グラス底面の一番下にある頂点にスナップ移動させてください。

グループを接地する
次に、同じくグループを接地させます。
アウトライナでグループを選択し、Xキーを押しながら移動ツールのYハンドルを上へドラッグし、ワールド座標原点にスナップさせてください。

トランスフォームのフリーズとヒストリの削除
最後に、グループの「トランスフォームのフリーズ」と「ヒストリの削除」を実行してください。
また、グラスとドリンク オブジェクトは、それぞれ「ヒストリの削除」を実行してモデル制作はとりあえず完了です。

尚、「氷」のモデリングはページを改めて説明します。

